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技術情報・取扱説明書

 

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技術情報 フロートキャブレターとダイヤフラムキャブレター

Q1 MTXランマーはキャブレターがダイヤフラム式だそうですが今までのものとどこが違うのですか?

A1 キャブレターは気化器と呼ばれるエンジンに適切な量の燃料を霧状にして供給する為の装置ですが、 代表的なものにMTシリーズに搭載しているフロート式とMTXシリーズで採用したダイヤフラム式があります。それぞれに特性がある為、 通常は用途(例えばプレートにはフロート式、ハンドカッターにはダイヤフラム式など)に合わせて使い分けます。

フロートキャブレーター

フロートキャブレーター

ダイヤフラムキャブレーター

ダイヤフラムキャブレーター


しかし、世界中で三笠のランマーだけが仕向け国の動向を考慮して、各国のニーズに合ったキャブレターでの提供を行っています。
数年前までは殆どのランマーが使用感を優先したフロート式でしたが、 昨今欧州を初めとする先進国で環境と安全性に配慮した考え方からダイヤフラム式が好まれる様になってきています。

では、具体的にどの様な違いがあるのか説明します。まずフロート式の供給方法ですが、キャブレター本体に大きなチャンバー室があり、 その中に満たされた燃料の上に浮き(フロート)が浮いています。その浮きが上下する事でニードル弁を開閉させ、ガソリンの供給量を調節します。手順としては(図1参照)

図1

図1

  • 燃料タンクからガソリンが送られ、フロートチャンバー内の油面が上昇し、フロートが押し上げられます。
  • 上昇したフロートはフロートバルブを押し上げ、燃料流入通路を閉鎖し燃料を流れなくします。
  • 燃料が消費され、フロートチャンバー内の油面が下る事によりフロートが下がり、フロートバルブが開きます。
    →①へ戻り繰り返す。

この方式は構成部品が少なく機構がシンプルなので、メンテナンスが容易。始動性が良い等の特徴を持っています。

次に、ダイヤフラム式の説明です。ダイヤフラム式とはゴム製の膜(ダイヤフラム)を内部に持ち、 その膜がキャブレター内の圧力変動により伸縮し、ポンプのように燃料を吸い上げる方式です。手順を説明します(図2参照)。

図2

図2

  • エンジンのピストンが上下する事により発生する負圧で、キャブレター内の圧力が下がります。
  • 低下した圧力に追随してダイヤフラムが伸ばされます。
  • エンジンのバルブが閉じた時、伸びたダイヤフラムが大気開放面との圧力差で引き戻され、その吸引力を利用して燃料タンクからガソリンを吸上げます。
  • 膨らんだダイヤフラムが戻る力を利用してエンジンにガソリンを送り込みます。
    →3.へ戻り繰り返す。

ダイヤフラム式は燃料系が閉となっている為、ガソリンが漏れる可能性が極めて少ない構造となっています。その為前途したように環境に配慮した方式と考えられています。
三笠製ランマーをより一層安全に使用して頂く為、それぞれのキャブレターの方式ごとにメンテナンス方法及び使用上の注意点をまとめましたのでご参照下さい。

フロートキャブレター(MTランマーシリーズ)

  • 保管時及び運搬時にランマーを横倒しにする際は、必ずキャブレター側を上にして倒して下さい。その他の面を上にしますと燃料がこぼれ出す恐れがあります。
  • エンジン停止時は必ず燃料コックを閉じて下さい。機体の姿勢によっては燃料が漏れ出す恐れがあります。
  • ランマーを長期保管される時は必ずキャブレターから燃料を抜いて下さい。ガソリンを入れたままにしますと、燃料の劣化によりキャブレター故障の原因になります。

ダイヤフラムキャブレター(MTXランマーシリーズ)

  • キャブレターの構造が複雑で調節が難しいので燃料流量を調節しないで下さい。調節不良を起こし本来の性能が得られない場合があります。
  • 内部構造部品が埃やゴミに対してデリケートな為、絶対に分解しないで下さい。
  • ガス欠まで運転しますとエンジンが掛かりにくい場合があります。燃料が無くなる前に給油して下さい。
最後に、三笠産業はお客様に最高の作業性能を提供する為、日々研究を重ねています。キャブレターを含め専用設計部品が可能にした 弊社ランマーの操作性能を実感して頂き、今後とも御愛用下さい。